業務効率化とは?企業を成功に導く6つの方法を解説|おすすめツールも紹介

業務効率化とは、非効率なプロセスを改善する取り組みです。本記事では、業務効率化の方法やおすすめツールを詳しく紹介しています。生産性向上をしたい​​経営企画や人事担当、小規模な会社の経営層の方はぜひご覧ください。

業務効率化は生産性を向上させる上で不可欠な作業です。効率化によって、人的・金銭的コストの削減と、アウトプットの質の向上を両立させることができたら理想的ですよね。そこで、今回は業務効率化の方法・アイデア6選や、業務効率化に役立つ11のツールを紹介します。

本記事が、既存の業務プロセスを改善し、効率的な組織体制を確立するきっかけになれば幸いです。

目次

業務効率化とは、非効率なプロセスを改善すること

業務効率化とは、非効率なプロセスを改善することです。既存のプロセスの問題点を見直すことで、スムーズな業務の遂行を目指します。

そもそも、なぜ非効率なプロセスが発生するのでしょう。大きな原因として、プロセスのさまざまな箇所に“ムリ・ムダ・ムラ”が存在していることが挙げられます。この3つについては、以下の表で具体的に説明しています。

ムリ 社員のキャパを度外視した仕事量やスケジュール
ムダ 必要以上の人的・金銭的コストなどの消費
ムラ 個人やチームごとの理解度や意識の差

既存のプロセスからこのような“ムリ・ムダ・ムラ”を取り除くことで、これまで以上のアウトプットの創出を実現できます。

業務効率化の3つのメリット

業務効率化を実践することで、コストの削減や生産性の向上、社員のモチベーションアップによる離職率の低下などさまざまなメリットを享受できます。具体的に説明していきましょう。

コストの削減

業務を効率化することで、それまで必要以上に消費していた人件費や費用を削減できます。作業量に対する割り当て人数の見直しや使用するツールの取捨選択を行うことで、適材適所に人やモノを配置することにも繋がるのです。

リソースの全体量を見直すことで、人的・金銭的コストを削減し、効率的な組織の運営を実現できます。余ったリソースは新規事業の開発などに回すこともできるかもしれません。

生産性向上

スムーズに業務を進められるようになると、組織全体の生産性も自然と向上します。“ムリ・ムダ・ムラ”なプロセスが省かれることで、一人ひとりがアウトプットを鮮明にイメージしながら業務に取り組めるからです。

組織として成長し続けるには、生産性の向上が欠かせません。同じリソースでも生産性がグッと向上すれば、創出されるアウトプットの質は格段に向上するでしょう。

社員のモチベーションアップによる離職率の低下

業務上の非効率なプロセスが排除され、全体の生産性が向上すると、社員が働きたいと思える組織風土を整えることができます。

なぜなら、“ムリ・ムダ・ムラ”な業務プロセスはアウトプットの質だけでなく、社員のモチベーションをも低下させる原因になるからです。

社員のエンパワーメントを高めることで離職率の低下を維持し、盤石な経営体制を築き上げましょう。

業務効率化の方法・アイデア6選

「業務を効率的に行いたいけれど、具体的にどうすれば分からない」

経営層やプロジェクト運営の担い手の方々の中には、このように考える人も少なくないでしょう。ここからは、具体的な業務効率化の方法やアイデアを、実際のプロセスに基づいて紹介します。ぜひ参考にしてください。

アイデア1.業務プロセスを可視化する

業務効率化を目指す上で必要なのは、業務の全体像と余分なリソースが割かれているプロセスを把握して、現状の課題を可視化することです。

具体的な可視化の方法は3つあります。

  1. 業務棚卸表を作成する

業務棚卸表は、各業務の内容や作業手順などを体系立てた資料のことです。社員から現在の業務内容をヒアリングし、作成します。プロセスマイニングラボにて「業務可視化のテンプレート」を配布しているので、こちらも併せて活用してください。

  1. プロセスマイニングツールを活用する

プロセスマイニングツールにより、業務を可視化、課題を特定・分析し、業務改善に取り組むことができます。データ収集は自動的に行われるため、最小限の人員で運用することができます。

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  1. 工数管理ツールを導入する

工数管理ツールは、プロジェクトの仕事量と担当人数を計算して工数を管理し、業務の効率化を図るためのツールです。具体的なツールとしては、CrowdLog(クラウドログ)やmonday.com(マンデードットコム)などが挙げられます。

アイデア2.無駄な業務を廃止する

業務効率化を図る上で、無駄な業務の廃止は効果的な手段の1つです。なぜなら、コストをかけることなく、改善を図ることができるからです。

廃止できる業務の例としては、共有されることのないレポート資料の作成や、必要のない手続きなどが挙げられます。

可視化したプロセスから必要のない業務をピックアップすることで、積極的に廃止を進めましょう。

アイデア3.業務効率化ツール・システムを導入する

必要な業務を絞り込んだら、効率化の手段を検討しましょう。おすすめは、ツールやシステムの導入です。既存のシステムの活用や、場合によっては独自システムを開発することで、業務効率を大幅にアップさせることができます。

具体的なツールについては、後ほど解説しています。使用タイプごとに分類しているので、ぜひ参考にしてください。

アイデア4.業務を自動化する

業務を自動化することも、効率化に繋がる有効な手段です。特に、ルーティンワークをAIやRPAツールでに代替させることで、効率的に進めることができます。近年はAIの発展も著しいので、自動化できる場面は増えることが予想されます。

また、業務の自動化は人的コストの削減にも繋がります。人件費よりも安くツールを導入できる場合もあるため、費用対効果でのメリットも大きいです。

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アイデア5.業務改革を行なう

業務改革とは、企業が目標に到達するために根本から組織の再設計を行うことです。BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニリアリング)と称されることもあります。

BPRは、「手順の変更」「業務の集約」「分業」の3つの方法に分けられます。具体的な内容は以下の通りです。

手順の変更 業務の無駄を省くことを目的に、やり方を変更する方法。
業務の集約 同じ業務を担当者に一人することで、効率化を図る方法。
分業 1人で行うには負担の大きいタスクを複数人で分担する方法

アイデア6.外部人材・リソースを活用する

必要に応じて外部人材・リソースを活用するのも適切な手段です。具体的な手段としては、新規採用やアウトソーシングが挙げられます。

アウトソーシングとは、業務の一部、もしくはすべてを外部に委託することです。

アウトソーシングにより、コストの削減だけでなく、アウトソーシング先の専門技術を活用することでより強度の高い組織を築くことができます。

業務の効率化をする11のツール・システム

ツールやシステムを活用することで、効果的に業務の効率化ができます。あまり耳にしたことのないツールもあるかもしれませんが、広く普及しつつあるものばかりなので、ぜひ導入を検討してみてください。

1.チャットツール|社内外でのコミュニケーションの可視化・活発化に有効

チャットツールは、PCやスマートフォンでリアルタイムなやり取りができるコミュニケーションツールです。チャットツールを活用することで、メンバーの所在に関係なく迅速に業務を進めることができます。

チャットツールにはプッシュ通知機能があるため、レスポンスを迅速に送ることが可能です。また、コミュニケーションの内容も残るので、口頭でのやり取りより認識違いなどの事態を防ぎやすくなります。具体的には以下のようなツールがあります。

  • Chatwork(チャットワーク)
  • Slack(スラック)
  • Discord(ディスコード)

2.タスク・プロジェクト管理ツール|進捗の共有に最適

プロジェクトを進める際には、マネージャーが、どのタスクを「誰が」「いつまでに」「どのように」行うのかを把握しておく必要があります。

そのような場面でおすすめなのが、タスク・プロジェクト管理ツールです。チームのメンバーが抱えているタスクをツールで管理し、全体で共有することができます。

ツールを活用することで、タスクの抜け漏れを防ぎ、スムーズな進行を実現できるでしょう。具体的には以下のようなツールがあります。

  • Asana(アサナ)
  • Backlog(バックログ)

3.SFAツール|営業活動の効率アップに貢献

SFAは「Sales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)」の略称です。SFAツールは、営業支援システムを意味します。

営業部門の業務プロセスを自動化することで、営業活動で利用されるデータを蓄積・分析することができます。顧客管理・案件管理・案件管理を一貫して行うことが可能です。具体的には以下のようなツールがあります。

  • Sales Cloud(セールスクラウド)
  • InfAjast(インフアジャスト)
  • Knowledge Suite(ナレッジスイート)

4.MAツール|マーケティング業務の生産性向上に寄与

MAは「Marketing Automation(マーケティング・オートメーション)」のことです。マーケティング活動の自動化・効率化をサポートすることができます。

マーケティング業務の生産性を向上させ、商談獲得件数の最大化を目指します。具体的な機能としては、リード管理・スコアリング・シナリオ作成などが可能です。具体的には以下のようなツールがあります。

  • Pardot(パードット)
  • SATORI(サトリ)
  • List Finder(リストファインダー)

5.  RPAツール|事務作業の効率化に

RPAは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略称です。RPAツールにより、情報収集や資料作成、電話・メールでの対応支援など、広範囲の業務の自動化が可能です。

ルーティンワークを得意とするロボットを活用することで、人件費の削減とヒューマンエラーの防止が両立できるでしょう。具体的には以下のようなツールがあります。

  • WinActo(ウィンアクター)
  • batton(バトン)
  • RoboTANGO(ロボタンゴ)

RPAについては、こちらの記事で解説しています。

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6.会計・経理ソフト|手間のかかる決済業務を快適に

会計・経理ソフトは、決算に必要な帳簿書類を作成するソフトウェアです。仕訳の記録や得意先帳簿・総勘定元帳・試算表などを作成できます。さらに、企業外部の利害関係者に会社の経営成績や財務状況を報告する際にも便利です。

特定の業界向けのものやAIが自動仕分けしてくれるものなど数多く存在するので、自社にあったものをセレクトしましょう。具体的には以下のようなツールがあります。

  • クラウド会計freee(フリー)
  • マネーフォワードクラウド会計
  • 弥生会計

7.名刺管理ツール|顧客情報の一元管理におすすめ

名刺管理ツールは、紙の名刺をデータ化することで、社内での一元管理や情報共有ができるシステムです。データとして管理することで、必要な情報を迅速に取り出すことや顧客の名刺情報を一括で管理することができます。

導入方法や価格・契約形態に基づいて選ぶことをおすすめします。具体的には以下のようなツールがあります。

  • Sansan(サンサン)
  • Eight(エイト)
  • myBridg(マイブリッジ)

8.勤怠管理システム 社員の勤務ステータスの管理に効果的

勤怠管理システムでは、社員の勤務状況を追跡・監視することができます。労働時間や遅刻・早退・休憩・欠勤などの状態を記録することで、過払いを減らし、人件費を抑えることが可能です。

給与計算システムなどとの連携の可否やサポート体制の充実度合いに基づいて選ぶと良いでしょう。具体的には以下のようなツールがあります。

  • jinjer(ジンジャー)勤怠
  • ジョブカン勤怠管理
  • KING OF TIME(キングオブタイム)

9.在庫管理ソフト 適切な在庫管理によりコストの削減が可能

在庫管理システムでは、在庫情報や入出庫情報などを入力することで、在庫状況を適切に管理することができます。在庫の過不足の発生を抑えることで、生産コストの削減や在庫の廃棄を防ぐことが可能です。

具体的には以下のようなツールがあります。

  • アラジンオフィス
  • zaico(ザイコ)
  • ロジクラ

10. 人事労務ソフト 膨大な労務作業をペーパーレスで遂行

人事労務ソフトは、従業員の社会保険手続きや福利厚生の加入管理などの効率化が可能なソフトウェアです。膨大な書類のやり取りをペーパーレスで行うことができるため、手間を大幅に削減することができます。

具体的には以下のようなツールがあります。

  • OBIC7人事・総務向け統合ソリューション
  • SmartHR(スマートエイチアール)
  • 人事労務freee(フリー)

11. 生産管理システム 生産状況の把握が一目瞭然に

生産管理システムでは、製造業における生産計画から在庫管理までのプロセスを一元的に管理することが可能です。現場のデータをシステムで統合的に管理することで、生産性や効率の大幅アップが予想されます。

人が紙で管理する従来の方式と比較すると、ヒューマンエラーの発生率を大幅に低下させることができるでしょう。具体的には以下のようなツールがあります。

  • WorkGearシリーズ(ワークギア)
  • i-PROWシリーズ
  • TPiCS-X

企業での業務効率化の成功事例

適切にツールやシステムを活用することで、業務の効率化を成功させた企業の数は少なくありません。

ディップ株式会社では、RPAの導入により、ルーティンワークを自動化させることに成功しています。この際に、業務プロセスの全てをRPAへ委託するのではなく、手作業との使い分けにより、ハイブリットな体制を確立しています。

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また、グローバル企業のDELLもプロセスマイニングツール「Celonis」を活用することで、取引登録プロセスの可視化と自動化率の向上に成功しています。ツールを活用することで、発生している事象ではなく取り組むことに目を向けることができるのです。

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業務効率化を成功させて働き方改革の波に乗ろう!

新型コロナウイルスの蔓延や労働力人口の減少により、働き方改革が急速に進みつつあります。社員一人ひとりがやりがいや責任感を持って働ける組織を築くには、業務プロセスの“ムリ・ムダ・ムラ”を省くことは不可欠です。

  • 社員の負担を度外視したスケジュールが組まれていないか
  • 必要以上に人的・金銭的コストが消費されていないか
  • 個人やチームごとの理解度や意識に差がないか

組織の現状を客観視することで、新たな気づきを得られるかもしれません。また、必要に応じてツールを活用することで、業務効率化に繋がるはずです。

業務プロセスを見直すことで、社員一人ひとりが働き続けたいと思う組織体制を築きましょう。

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