グローバル企業であるDELLが自身のビジネスプロセスを正確に把握することは難しいです。しかしプロセスマイニングツールCelonisのデモを通じて、Salesforceの利用可能なすべてのデータをイベントログにして、チームに完全な「可視性」を提供しました。
本記事では、
- プロセスマイニングのメリットがわからない
- プロセスマイニングでの自動化に興味がある
- 現状把握からの未来予測に関心がある
読者の方を対象に、Dell + Celonisを参考にDELLのプロセスマイニングの活用事例を紹介します。
DELLが抱えていた取引登録プロセスの透明性の欠如
DELLの取引登録プロセスには、2つの異なるタイプがあります。しかし、それらを区別し全体のボリュームとパフォーマンスの詳細を定量的に把握する方法がありませんでした。そのため、処理総量やサイクルタイム、SLA(サービス品質保証)がどのように実行されているのか知ることができません。可視性と透明性の欠如がビジネス全体に悪影響を及ぼし始めていました。
使用したツール
『Celonis』
必要な可視性を取引、監視、チーム管理へ
ここでは、DELLが実際にCelonisを導入して達成したことについて述べます。ポイントとなるのはCelonisがDELLのビジネスプロセスに圧倒的な可視性をベストなタイミングで提供したことです。
視覚化からインテリジェントな自動化まで
DELLは取引チームが直接登録して承認する「1ステップ取引」と他の部門が承認する「2ステップ取引」の全体の可視性を高めることで、簡単かつ自動で処理できるシンプルな1ステップ取引を多数特定することができました。
その後は、自動化チームと協力をして、これらの1ステップ取引を承認する自動化したプロセスを開発。結果は素晴らしく、1年間で取引の自動化率を1%未満から約15%程度まで高めることに成功しました。
アクションフローによるプロアクティブな監視の有効化
DELLがCelonisで実現した自動化はあくまでもリアクティブ(受動的)なものでした。しかしDXの次に進むためにはプロセスのプロアクティブ(能動的)な監視へと移行する必要があります。
以前は、営業チームが取引を登録しない場合は、運用チームが取引について知ることができず、取引を処理する基本的な支援を提供できず、大きな機会損失でした。
Celonisでは、14日以内に取引が登録されない場合には、運用チームに自動的にメールが送信されるため、運用チームは積極的に営業に従事できます。必要な情報は全てSalesforceから直接取得されるため、彼らはすぐに行動できます。
チームが分析スコアカードで自分自身を助けるのを支援
プロアクティブなアラートは、チームが最も必要な場所に注意を向けるのに役立ちます。しかし、DELLの営業スタッフは自分たちの取り組みをどこに集中させるべきか、より多くの可視性を求めるようになりました。
営業スタッフはCelonisに簡単な分析スコアカードの設定を依頼しました。その結果、彼らは最も重要なKPIを明確に把握、アクティブな取引、取引量、より多くのエンゲージメントが必要な取引を確認できます。
注目すべき取引を見つけると数回のクリックで、取引の所有者、取引ID、最後のアクティビティなどの関連情報を全て見つけることができ、取引を迅速かつ積極的に進めるために、適切なアクションを実行できます。
その結果、取引の速度が向上し、執行した取引が減り、収益が増加し、チームメンバーも成長して、より高いモチベーションで業務に向き合うようになりました。
まとめ:リアクティブからプロアクティブへ
DELLの「プロセスの可視化」と「自動化率の向上」という成功体験は、企業のDXを進めていく上でもCelonisが不可欠なツールであることを明らかにしました。
Celonisに限らず、プロセスマイニングツールの最大の効用は、業務プロセスを可視化することで、何が起きているかではなく何をすべきかに、議論を集中できること。
現状を正しく理解すると未来を予測できます。リアクティブな対応からプロアクティブな対応へと業務の軸足を移すと、顧客やサプライヤー、パートナーに良質な体験を提供できます。