なぜ今プロセスマイニングなのか?期待される背景を解説

数年前から業務自動化のブームが海外で到来し、RPAを始めとする自動化ツールが多く導入されました。

海外での自動化ブームを機に、日本でも業務自動化が注目されるようになります。

その後RPAが流行し、現在日本でも多くの企業がRPAを導入しています。

一方で近年、日本ではRPAは衰退しているとの声も挙がっていることを皆さんは知っていますか?

定形業務を自動化することができ、更にコストの削減でも効果を発揮するRPAは万能のように思います。

では、なぜこのような声があがっているのでしょうか。

海外では現在、単発的に業務の自動化を行うのではなく、業務システムの根本的な見直しと改善を行うことに注目が集まっています。

今回の記事では、プロセスマイニングが日本や世界で必要とされている背景や、今後どのようなことを期待されているのかなどをお話していきます。


海外での業務自動化ブーム

業務自動化にまず取り組んだのはアメリカでした。

産業革命により、1950年にアメリカで産業用ロボットが開発されたことがきっかけで、アメリカを中心とした欧米諸国で産業用ロボットの導入が進んでいきます。

そんな中で開発された業務自動化ツールRPAがアメリカを拠点として世界各国で導入されたことが日本の業務自動化ブームの発端です。

海外が業務自動化に積極的だったことには理由がありました。その1つが少子高齢化による労働人口の減少です。

日本だけでなく、中国やアメリカなどで少子高齢化が進行し、年々採用が難しくなっているという話はよくききます。人口の減少だけでなく、フリーランスとして自由な働き方を選ぶ人も多く、近い将来どんどん人が採用できない社会になってくると言われています。

また、労働時間の短縮の傾向も業務自動化が流行する要因です。

労働時間の長さは世界でも問題になっており、労働時間が平均的に短い国でさえ1人あたりの労働時間を見直していく動きが活発になっています。それにより、業務自動化が注目されているのです。

もう一つの理由は、労働生産性の低さです。

人の手で作業することは勿論メリットもありますが、業務自動化で効率化できるようなルーティーンワークは、人の手で行うことでコンディションによるミスが発生したり、集中力が続きにくいことで生産性の低さが問題視されています。

こういった継続的に安定したコンディションで作業をより早く行うことはRPAの得意分野のため、一気に業務自動化が注目されるのです。

では、業務自動化はどのように流行していったのでしょうか?

発端は、欧米諸国で働き方改革に注目が集まったことです。世界各国で、なんとか今の働き方を改善して、もっと楽に仕事が出来ないかと言う考え方が広がり始めました。
そのタイミングで、アメリカでRPAなどの自動化ツールが開発されたことで、業務の自動化に取り組む人が増えます。アメリカ内でRPAベンダーが増えていき、業務自動化はますますの盛り上がりを見せます。

また、海外では会社の業務最適化の方法としてRPAが検討され、トップダウンで導入される事が多いことも流行した原因でした。
結果的に2021年現在で世界のRPA売上予想は20億ドルになるまで成長しました。

2025年の崖 

 


2025年の崖という言葉を皆さんは聞いたことがありますか?

2025年の崖とは、社内で複雑化した業務を残しておくことで起こり得る、国際競争への遅れや経済の停滞が起こることを言います。

この2025年の崖が、今日本では問題視されています。これにより何が起こるのかと言うと、IT化をどんどん進めていく先進諸国に対して、古い業務システムを残しておくことで、海外の変化した業務システムに追いつけなくなり、経済的にも遅れをとってしまうのです。

今すぐにどうにかなる問題ではないものの、このままの状態が続くと確実に世界各国から経済的な遅れを生じることになってしまいます。それが、2025年という近い将来に起こり得る崖なのです。

この問題に対して、どうにか改善しようと考えている日本の企業はたくさんあります。にもかかわらず、なぜここまで状態が悪化してしまっているのでしょうか?


その理由として、どの企業もDXの必要性は感じているが、雇用問題やコストなどの理由から実行できずにいることが挙げられます。

業務を改善しなければいけない自覚は各部署の担当者にはありますが、日本はボトムアップで業務改善を行っていくことが多いため、浮いた人員をどうするのかまでは対応することができないことが実行に移せない原因の1つです。

このボトムアップという方法が、日本が海外より業務改革が進まない原因でもあります。


具体的には、2025年には複雑化などのレガシーシステムがシステム全体の6割になると予想されています。

レガシーシステムがシステムの多くの割合を占めることによって、すでに改善を行いシステムを一新している世界ヶ国の企業から遅れを取ることになるというのが現在の日本経済の課題です。


このレガシーシステムを改善する必要がありますが、2025年までの間で改善ができないと多くの事業機会を失うことになると言われているのです。

例として

「既存の人員で対応が出来ない」

「システムが対応できない」

などの問題からIT化の進む2025年には今のままでは対応できなくなります。

では、これらの問題に対応するためには何ができるのでしょうか?


これらの問題に対応するためには、既存のシステムを改善する必要があります。

既存のシステムのままでは会社としての成長チャンスを失うことになるため、業務の根本的な改善が必要です。業務を根本的な部分から見直して、無駄な部分を排除したり効率化することが業務改善において重要なポイントとなってきます。

そこで、業務改善方法の1つとしてプロセスマイニングが有効になってくるのです。

通常業務のシステムを刷新しようとした場合、膨大なコストと時間がかかるので今から動いても間に合わない可能性があります。下記がその例です。

例 保険業で4~5年で約700億円をかけて、ITシステム刷新を断行

しかし、プロセスマイニングなら、段階的に必要な業務の改善や効率化を行うので、より安価でかつ確実に業務改善が行える可能性があるのです。


多くの企業はこの問題を解決するために何100億円もかけて基幹システムを改善しようとします。


しかしプロセスマイニングなら、業務を可視化して根本的な要因を特定し、最短で業務改善に取り組めるため、今からDXを考えても十分間に合うのです。

以上のことから、プロセスマイニングが2025年の崖を乗り越えるために重要な役割を果たすのではないかと考えます。


日本での業務自動化ブーム


日本でも、第4次産業革命により業務自動化が注目され始めます。海外での業務自動化ブームをが日本でも広まり、2014年から業務自動化が徐々に検索されるようになったことで、RPA市場は現在でも伸び続けています。

具体的には、コンピューターによる自動化が広まり始めました。20世紀半ばから後半にかけて、コンピューターにより業務が自動化され、より効率的な量産が可能になります。

日本で業務改善が流行したことにはいくつか理由があります。そのうちの1つが
アウトソーシングの価格高騰です。

業務委託の価格が高騰することで、企業側がなんとか自分たちで対応出来ないかと考えるようになりました。そこで、業務を効率化することで委託している業務も対応できるのでは考えるようになり、企業での業務自動化ツール導入が進みます。

もう一つの理由に労働人口の減少があります。

日本の人工は、2030年までに1000万人ほど減ると言われています。それに加え、1人あたりの労働時間も長いことで世界的にも問題視されてことを皆さんはご存知でしょうか?

今後この問題を改善していく上で社員の労働時間が減少することにより、更に働ける人員が減るでしょう。これらが業務自動化の流行に大きく関係しています。

また、2015年以降アメリカで業務自動化に取り組む人が増えたことが、日本で業務自動化ブームが起こるきっかけでした。

その後、業務自動化が日本でも一気に広がり始め、日本では2016年頃からRPAが認知され始めるようになり、ここ数年で一気に盛り上がりを見せています。

これらの理由がきっかけで、日本で業務自動化が注目されるようになります。

RPA幻滅期 

2019年頃から、RPAが日本で衰退したのではとの声があがり始めます。
RPAは、即効果がでることから業務改革において注目され導入企業が急増しました。しかし、業務が複雑だと導入がスムーズにいかないため、自動化が一筋縄でいかなくなります。その他にもいくつかの理由があり、RPAは終わったと言われることもあります。

では、実際にRPAが幻滅機に入ったとされる原因を見ていきましょう。

①即効果が出ることが期待された

すぐに効果が出ることに期待した企業が多いなか、思うように効果が出ないことで継続をやめてしまったり、導入自体を断念する企業が増えたためです。短期的導入に目を向け、すぐに目に見える効果がでないことをデメリットと感じていた企業が多かったことも理由の1つだと言われています。


②コスト削減を目的にすると、社員が仕事がなくなることをおそれて非協力的になる

業務を削減すると自分の仕事がなくなるのでは、と感じた社員が反対勢力となることがあります。企業側が対応を考えていれば問題ないのですがそうではない場合も多く、導入しなくなる原因の1つとしてコストを削減しても人員は削減できないことなどが挙げられています。

③自動化で効果を発揮する業務を見つけ出せない

即効果が出ることで期待値が大きくなりすぎたRPAは、万能なツールであるという誤解を生んでいるように感じます。業務が複雑だとそもそも自動化できるかどうかわからないため、効率化できる業務が多くあっても気が付けない企業が多いことが要因です。


④RPAを導入したのに、逆に人件費が上がる

導入をしても、RPAを導入するために工数を割くことになったり、結果的に効率化出来ているがより多くの業務を行うために人件費を増やしたので変わらないという意見があります。

結果的に生産性は挙がっているように感じるが、たしかにコストだけで考えると削減は出来ていないので導入を断念するケースがあるようです。

⑤RPAのみでDXを行うことに限界がきている

RPAはたしかに優秀ですが、業務可視化の時点でつまずく企業が多いので自動化に踏み切れません。

定型業務をより効率よく自動化していくためには、RPAだけではもはや限界が来ていると言えます。


⑥作業量の増加や質の向上は数値として出ないので結果は出ていても理解されない

コストにばかり目を向けていると、効果が出ているのかどうかが測定できないため、周囲の理解が得られないことが多いようです。


以上がRPAが衰退しつつある理由です。

海外で業務可視化が進む


2018年から海外では、業務自動化の流行に伴いプロセスマイニングの導入が爆発的に進見ました。海外ではすでにこの頃、短期的な自動化に目を向けるのではなく、長期的な目で業務システムの根本的な改善を行おうという考え方が広まっていました。

業務自動化ブームで紹介したように、業務効率化を行う上でRPAによる自動化が急速的に進みました。自動化ツールを導入していく中で、業務効率化を行う際は業務の可視化、分析、有効性や効果測定などをどれだけ適切に行えるかが自動化や効率化成功の鍵だということに気が付きはじめます。

そこで、これらを全て行うことができるプロセスマイニングによる業務可視化が海外で流行しだします。


そもそも、業務可視化が海外を中心に意識されたのは働き方そのものが見直されているためです。

今までは、面倒で手間のかかる業務を1つずつ自動化してくという動きが主流でした。しかし、ただ効率化するだけではなく、業務システムそのものを見直し改善を行い、人がやらなくても良い業務は無くせるようにしようという動きが主流へと変わっていきました。

海外では、日本に比べて1人あたりの労働時間が少ないところが多いのは働き方に対する意識の高さだと私は感じます。

そのため、必要以上に働かなくても十分な成果が得られるように、業務のシステムを根本的に改善していこうという動きが流行しだしたのでしょう。


他にも、業務改善に対する共通認識を持つためにも導入が進んでいます

自動化ツールはシステムなので、導入するだけで高いサーバーコストがかかります。

そのため気軽に試してみることができず、失敗を恐れて導入に踏み切れない企業も多いのです。

特に社員が反対するということはよくある話です。海外はトップダウンで導入が進められますが、導入目的があやふやだと、機械に仕事をとられてしまうのではと不安を抱く人も多いのです。

そのため、事前にどのような効果が出るのかを明確にし、どのような意図で導入するのかを共通認識として社内で持つために業務可視化ツールが使われるのです。


最後の理由として、短い時間で業務を網羅できることが挙げられます。

業務を網羅するのに、今までなら多くの時間をかけておこなってたでしょう。しかし、業務可視化ツールを導入し機械に頼ることで時間が大幅に短縮できます。

更に、イベントログから業務を可視化するので人の手でおこなうよりもはるかに精度が高いことも可視化を行う理由です。


ボトルネック業務が分かるので、効率的に業務を改善できる

業務可視化では、プロセスマイニングというシステムがあり、これを使うことで業務の中のボトルネックを探し出すことができます。そのため、ボトルネックの業務を自動化して改善することで効率的に業務を自動化できるのです。

以上の理由から、海外で業務可視化が流行します。


日本でも今後進むことが予想


業務改善を効率的に行うために、日本でも今後さらにプロセスマイニングの需要が高まっていくのではないかと予想されています。

他の部分でも話したとおり、業務改善では可視化と分析、効果測定がなによりも大切になってきます。それらを全て行えるのが、プロセスマイニングという手法です。

導入することで、より確実な自動化の効果を期待できることから日本でも導入する企業が増え、今後もますます増えると言われています。

では、なぜ日本で業務可視化が必要とされているのでしょうか?その理由について解説していきます。

1つ目の理由は、RPAのみでの業務改善に限界があるためです。

RPAが流行し多くの企業が導入しましたが、RPAのみで業務の自動化をしていくことが難しくなってきています。なぜなら、単純な業務は人の手作業で見つけることが出来ても、複雑な業務は効率化の対象として見つけることができないためです。

簡単なシステムの自動化は、見つけること自体も簡単ですが、その分導入後の効果も小さいことが特徴です。逆に、効率化することで大きく成果を上げる業務は見つけるのも改善するのも難しいのです。

この複雑で人の手作業では見つけられないような業務をみつけるのにプロセスマイニングが有効だと言われています。


2つ目の理由は、持続的な労働力の確保が難しいためです。

今後少子高齢化がますます加速する中、今まで通り人員を確保していくのが難しくなってきます。

企業が成長すると業務も必然的に増えるので、足りない人員を補うためには業務を効率化して、人の手で行う業務を最低限にする必要があります。

3つ目の理由は生産性を挙げるためです。

より会社としての成果を挙げるには、生産性を高める必要がありますよね。同じ人員でも、できる仕事の量が2倍なら成果も2倍になることは言うまでもありません。

それを可能にするのがプロセスマイニングなのです。

では、プロセスマイニングはどのようなメリットが期待されているのでしょうか?

1つ目のメリットは、業務プロセスの可視化で効率化すると最も効果の出る業務を自動で選定できることです。

具体的にどのように業務を自動化していくのかというと、プロセスマイニングで業務を可視化し、進行するプロジェクトの中で効率化すると最も成果の出る業務を提示してくれます。その改善施策をもとに自動化することで、効率的に業務自動化を進めていくことができるのです。


2つ目のメリットは、人員不足に対応できることです。

海外で業務可視化がブームしたのと同じで、日本でも今後の採用状況を考えたら、業務を自動化することで最低限の人員でも業務を行えるようにすることが理想的です。

更に、自由な働き方をしたいという考えからフリーランスになる人も増えているので、人にしか出来ない仕事だけを残して効率化していくことで、企業は成長し続けられるのではないでしょうか。


3つ目のメリットは、効率的に業務を自動化して生産性を高めていけることです。

これも海外での流行理由と同じですが、生産性を挙げて行くことが会社成長の近道です。しかし、人がどんなに一生懸命働いても限界がありますよね。一方機械は、柔軟に対応することは苦手ですが、一定の業務を繰り返し行うことは得意です。このように、人と機械の得意不得意を有効活用して、人にとって最も働きやすく、生産性の上がる状態を作っていくことが会社としての理想像のように感じます。


2025年の崖でもあったように、今後更に成長を目指すなら、業務改善に注目して導入していく企業が、海外のように日本でもが増えてくるのではないかと思います。


働き方の変化によるプロセスマイニングの期待

この数年で、リモートワークやフルフレックスの導入を始めとする働き方の変化が起こっていることはみなさんも感じていると思います。

それに伴い、業務の根本的見直しにプロセスマイニングが用いられるのではないかと言われています。


この理由の1つに、海外の影響があります。

プロセスマイニングが業務可視化において大きな効果を発揮することが海外で証明され、日本でも導入する企業は増えてきています。

今までは目の前の面倒な業務を自動化することでコストの削減をしてきました。

しかし、海外で働き方を見直すにあたり、業務を根本的なところから改善していこうという考え方が広まり始めたのです。


2つ目の理由として、新型コロナウイルス感染症の世界的流行があります。

2020年から全国的に新型コロナウイルス感染症が流行し、日本でもリモートワークが推奨されるようになりましたね。

しかし、紙を扱う業務などは自動化ができません。

そこで、紙の業務をなくしてデジタル化することでリモートワークを可能にしたり、事前に業務自動化を進めていたおかげでリモートワークにできたという事例があります。

今ニューノーマルという生活様式が知れ渡るようになりあましたが、会社に行く必要性が問われ始めた今、リモートワークはどんどん進んでいくでしょう。

では、具体的にはどのようにプロセスマイニングが活躍していくのでしょうか。プロセスマイニングがどのように活躍していくのか、その予想についてお話します。

1つが、リモートワークにするための業務改善での活躍です。

リモートワークを行うためには、効率化しておくことが必要な業務も多くあります。

業務システムが効率化されていれば出勤しなくてもいい業務も、効率化ができていないと人の手で時間をかけて行わなければいけません。

新しい働き方に対応していくには、業務を効率化しないと対応が追いつけなくなってきているのです。

2つ目が、緊急事態での対応への期待です。

今回の新型コロナウイルス感染症で、休みたくても出勤しなければならず、更には需要が高くなりすぎて激務に追われるというケースがありました。

例えば、医療機関や保健所、衛生用品を取り扱う企業です。海外ではこのような非常事態で、プロセスマイニングで業務の効率化を行うことで業務の生産性をあげつつ、人員不足を補うことに成功しています。

私自身も、非常事態なのに出勤して働くことを仕方がないこととはわかりつつ、なんとかならないかと考えていました。人が手を動かせなくてもある程度は機能する業務が増えて、人の手で行うべき業務に注力できる世界が実現すると良いなと思っています。


結果的にプロセスマイニングは、現代の多様な働き方の変化にも柔軟に対応していけると言えます。


まとめ


以上が、プロセスマイニングが世界で注目され、期待されている背景です。プロセスマイニングの導入は簡単なものではありませんが、特徴や機能を理解しうまく活用できれば今後もどんどん導入する企業は増えてくるでしょう。

1社でも多くの企業がプロセスマイニングなどで業務可視化を行い、さらなる成長につなげていけるように私達も全力で頑張っていこうと思います!

最後までお読み頂きありがとうございました。