BtoBのビジネスは大きく変わろうとしています。インターネットの普及により、従来のような営業活動だけでは、実績の維持が厳しい時代になってきました。従来の営業は、商品を知らない顧客に対して商品情報を伝え、興味を持ってもらうのが基本的な役割でした。
ところが営業担当が見込み客にアポイントをとって商品案内をする前に、顧客自身がすでに購買予定の商品情報をインターネットで集め、数社の商品を比較検討するようになりました。
営業担当の出番が少なくなりつつある状況の中、成果につなげるには、顧客の購買検討の情報をいかに早くつかむかが鍵となるのです。そのため多くの企業は、見込み客に合わせた商品やサービスをいかに早くアピールし、情報のフィードバックができるかを検討し始めています。
MAツールは、そうした企業の要望である、情報収集の労力を最小限におさえて、自動化によって効率をはかるツールです。今回は数あるMAツールの中でも人気のある、Pardotについて解説していきます。
Pardot導入に向いている会社
- 確率の高い見込み客の情報をつかみたい
- 効率よく既存顧客のフォローをしたい
- 休眠中の顧客を掘り起こしたい
Pardot(パードット)MAツールとは?
運営会社「セールスフォース・ドットコム」
MAツールは、見込み客の獲得から購買までのプロセスを、自動化することで支援していくツールです。今回紹介するPardot(MAツール) は、セールスフォース・ドットコムが提供するアメリカ発のMAツールです。
マーケティング活動と営業活動を連携し、効率的に営業成果をあげることを目的とされています。マーケティング活動には、ランディングページの制作・メール配信などさまざまな業務が発生します。
追跡調査・分析となると、かなりの労力が必要なうえ、迅速な対応には時間がかかり、困難をきわめるというのが現状です。
Pardot(MAツール)には、マーケティング活動に必要なウェブのトラッキング・会員登録フォーム・ランディングページの制作・メール配信などの機能を備えており、従来困難をきわめていた作業の軽減に役立ちます。
また、マーケティングの結果をリアルタイムにレポーティングできるので、営業活動の重要な情報としても役立ちます。
Pardot(MAツール)とはBtoBに特化したツール
Pardot(MAツール)は、BtoBビジネスの改善に主眼をおいて開発されたMAツールです。多くの企業の場合、販売サイクルが、広範囲または複雑さをきわめており、顧客との関係も多くの時間をかけて構築する現状があります。
Pardot (MAツール)は、確率の高い顧客を見つけ出すために、マーケティング活動において、あらゆる問題解決の手助けをする役割を担います。また顧客とのパイプを太くするための解決策を見いだすことが容易になります。
さらに、データを活用して、マーケティング担当と営業担当の両方のアプローチを共有し、顧客に合わせたサービスの提供も可能になります。
Pardot(MAツール)の機能
Pardotには以下の機能があります。
- メール配信機能
- ページ制作機能
- トラッキング機能
- レポーティング機能
メール配信機能
リストに基づいて行う、一括メール配信機能が備わっています。Pardotのメール送信では、送信者のタイムゾーンに合わせてスケジューリングができます。メール送信する登録顧客のリストを確認し、送信の予約設定、または送信の実行を行います。
Pardotでメルマガを配信する時には、リストメール送信機能が役に立ちます。受信者リストに合わせて、メルマガ送信をスケジューリングすることが可能です。自動応答メール機能を使えば、見込み客が登録や資料請求のアクションが完了すれば、お礼メールを自動的に送信することもできます。
ページ制作機能
簡単に作れるページ作成のツールが備わっています。お問い合わせフォーム・会員登録フォーム・メルマガ登録フォーム・資料請求フォーム・アンケート入力フォームなどが簡単に作成できます。
またランディングページもテンプレートを使用すれば簡単に作成が可能です。さらに、HTMLメールエディタ機能も備わっており、画像を埋め込んだ本格的なランディングページの作成も可能です。フォームハンドラーを使用すれば外部で作成したものをPardotに連携させることもできます。
トラッキング機能
顧客がどのような経路をたどって、フォームやランディングページにたどりついたのかを把握できる機能です。
顧客のウェブ上の動きも知ることができ、どの顧客が、どの商品に、どのくらい注目度が高いのかを把握することができる便利な機能です。この機能によって、コンテンツの内容を強化したり、ページ構成の問題を把握できます。
また、得られた情報を、すばやく営業担当に共有でき、顧客のニーズに合わせてどのようにアプローチを行うかのヒントを得ることができます。
レポーティング機能
契約が成立した場合には、効果の可視化もできる機能です。どのメールが効果があったのか、どのランディングページがよかったのか、広告の費用対効果がどうだったのか、などマーケティング活動のコストを可視化して、レポーティングできます。
また、顧客のメールソフトの環境やエラーメールの確認も可能です。ランディングページのビューやどのページからのコンバージョンなのかも簡単にグラフにできます。可視化することによって、分かりやすさが増し、次の行動がスムーズに行えます。
Pardot(MAツール)の特徴
Pardotの特徴は大きく3つ。
- 見込み客を発見する
- 顧客の注目度を高める
- 顧客をスムーズに営業に引き継ぐ
見込み客を発見する
マーケティング担当が行う見込み客へのアプローチによって、関心を向けさせつつ、見込み客の評価を行うことで、受注確率の高い、有望な見込み客を効率的に発見できます。
見込み客に対しては、関心を持ってもらうことが重要です。コンテンツを見てもらっても、見込み客のアクションがなければ、受注にはつながりません。
アクションをしてもらうための、問合わせのフォームの問題点やランディングページの不備などを特定し、素早く対応することで見込み客を受注へと導くことができます。
顧客の注目度を高める
有力な顧客情報が集まれば、商談へ持ち込むアプローチが大切になってきます。メールだけの発信だけでは、効果もあまり期待できません。さらなる効果を上げていくためには、顧客への注目度を高めていく必要があります。
顧客に合ったコンテンツを、適切なタイミングで配信していくことが不可欠になります。Pardotの機能を使用することで、定期的なフォローアップや顧客にあったコンテンツを、適切なタイミングで提供することが可能になります。それぞれの顧客に合ったベストなアプローチが実現できます。
顧客を営業へ引き継ぐ
マーケティング活動の中で導き出した有力な顧客を、営業担当に引き継ぐことを想定しています。営業担当は、顧客の評価や活動状況の情報をもとにアプローチをしていきます。顧客の状況が確立の低い状態であれば、もう一度マーケティングリストに戻すことも可能です。
常に高い確率の顧客に対して営業活動ができるので、受注の精度も高くなります。Pardotを使用すれば、マーケティング担当が見込み客のアプローチを行い、受注確率の高い状態で営業担当に引き継ぐことが可能になるわけです。
営業担当は、リアルタイム通知などの機能を利用し、マーケティング担当の動きに合わせて、顧客へのアプローチが可能です。
Pardot(MAツール)の価格表
プラン名 | 価格 | 機能 |
Growth | 150,000円(税抜)/月(年間契約) | 標準的なMA |
Plus | 300,000円(税抜)/月(年間契約) | アナリティクス搭載 |
Advanced | 480,000円(税抜)/月(年間契約) | 高度なMA |
BtoBビジネスに役立つMAツール「Pardot(パードット)」
BtoB企業が直面するマーケティング活動の課題にはさまざまなものがあります。
- リストに基づいてテレアポしてもアポイントがとれない
- アポイントを取っても受注につながらない
- ダイレクトメールだけでは効果がみられない
- マーケティング活動をしていても、営業にうまく引き継ぎできない
このような課題を、MAツールを使うことによって大幅に改善できます。Pardotには、メール配信機能・ページ制作機能・トラッキング機能・レポーティング機能など便利機能が数多く備えられており、マーケティングの労力や時間の削減に大きく貢献できるのです。
それによって、本来の見込み客の発見や注目度の高い顧客の情報を集め、高い確率で受注につなげていくことができます。
今回はBtoB企業様に向けて、マーケティング活動の効率化をはかるPardot(MAツール)について解説しました。企業の効率化については、たくさんの便利なツールが存在します。他にも様々なツールの解説を行っていますので、企業の効率化にお役立てください。