【事例あり】プロセスマイニングとRPAのシナジーを考察

プロセスマイニングとRPAを活用した業務改革の事例

ここでは、プロセスマイニングとRPAを活用した業務改革の海外事例をふたつ紹介します。

事例1:フィンランド税務当局

・課題:

  1. 時代遅れのシステムと働き方
  2. たくさんの手作業による業務
  3. 業務・システムへの大局観の欠如

・ プロセスマイニングツール:QPR Software

フィンランド税務当局は、プロセスマイニングによる業務可視化で各業務の工程を正確に把握し、適材適所のRPA導入による自動化を実現。スタッフは、単調な繰り返しの作業をする代わりに、顧客サービスの改善や専門的な作業などのコア業務に集中することができるようになりました。また、ヒューマンエラーによる致命的なミスを自動化により防ぐことで、厳密さが求められる税務手続きの信頼性と追跡性を高めることに成功。顧客満足度と従業員満足度を向上させ、公的機関ながらも抜本的な業務改革を実現しました。

参考:FINNISH TAX ADMINISTRATION IS BUILDING ITS DIGITAL SUCCESS STORY WITH QPR

事例2:Merck(メルク)

・課題:

  1. 一貫性を欠く手作業の業務プロセス
  2. タスクレベルの部分的な自動化の偏在
  3. 未成熟なツールと技術、限られた予算と知見

・プロセスマイニングツール:Celonis

Merck(メルク)は、ドイツ拠点の「ヘルスケア」「ライフサイエンス」「エレクトロニクス」を事業にするグローバルカンパニーです。プロセスマイニングの領域で世界のトップシェアを誇るCelonisのツールを活用して、RPAによる業務プロセスの自動化と業務改善を実現しました。プロセスマイニングを導入する以前は、業務が標準化されておらず、手作業と自動化が混在して、業務プロセスの現状分析が非常に困難な状況でした。しかし、プロセスマイニングにより業務プロセスを可視化して、手作業による業務と自動化による業務を把握することに成功。およそ50〜80%の業務を自動化し業務改革をすることができました。

参考:Process Transformation at Merck Celonis accelerating RPA

まとめ:自動化の先を見据えた業務改革

プロセスマイニングとRPAのシナジーは強力ですが、企業・組織のビジョンを達成するための手段にすぎません。その意識を持たずにツールの導入を目的にすれば、どんなに優れたソリューションでも価値を生み出すことは困難でしょう。自動化の先を見据えた業務改革を実現するために、経営陣がリソースを割いてプロジェクトにコミットメントする必要があります。

日本ではRPAの知名度が高くプロセスマイニングはまだ十分に認知されていませんが、ヨーロッパでは数多くの導入事例があり研究も盛んです。本記事で紹介した事例もヨーロッパの企業・組織です。これから日本においても、プロセスマイニングが浸透していくことが予想されます。ぜひプロラボの他の記事も参考にしてくださいね。

担当者必見!業務DXの資料はこちら