RPAから「ぶれない大義の大切さ」を学ぶ
藤:では、RPA導入後の具体的な成果と、導入してよかった点を教えて下さい。
あ:具体的な成果は定量的に言うと年間200時間です。数字的には全然納得いきませんが、会社内でITに目覚めた人が何人かいたことが大きな成果だったと思います。
身近な業務で紙送付だったものを「メールでもいいんじゃない?」と考え出してくれた人もいたり、会社に評価はしてもらえなくても確実にITが社内に浸透し始めたことが一番の成果でした。
特に嬉しかったのは、私のRPAを導入する姿を見てテレワークを導入した同僚がいた事です。新しいものを社内に入れていくことはスキルとしては定義しにくいことだが、そういったことをRPAを通して学んでもらえたことはすごく有り難いと思いました
また、何か新しいことを行うときに、目標をどこに置くかが大切だという話を良くしていて。RPAを始めるとき「人にしか出来ない付加価値ののある仕事をする為に、RPAをやりたい」と伝えていました。そのおかげで、周りに批判的な意見を言われても意思がブレなかったんです。そういったところはすごくいい経験でした。ぶれない大義の大切さを体感出来たと思います。
木の棒と布で戦っていた当時
藤:RPAを導入する際の周りの意見はどのようなものだったのでしょうか?
あ:基本的に「どんどんやれ!」という感じです。RPAの導入は全社方針にも入っていますし、社長が社員に向けて出すメッセージにもよくRPAをやりなさいと書いてありました。
ただ、プロジェクトをする上には必要な資源が供給されないと実行出来ないじゃないですか。それが出なかったんですよね。
当時IT系の人とお話をさせて頂いたときにも「君は戦で言うところの木の棒と布で戦っているね」と言われていました。
藤:どうしてそういった状況になってしまったのでしょう?
あ:まず会社内でプロジェクト推進の要件の議論が社内で存在しなかったですし、出来なかったんです。だからこそ新しい技術が導入されずに昭和感の漂う会社となったわけですが。
一方で、自動車も100年に1度の変革期を迎えていて、このままではダメだという意識は社内でもかなりありました。ただ、新しいことを導入する為に何かをした経験がないので、やれとは言うけど必要な支援ができなかったんだと思います。
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