ジョブ型雇用の導入前に企業が準備すべきこと
ここまで、ジョブ型雇用に注目されている背景と従来のメンバーシップ型雇用との違いについて解説してきました。
ジョブ型雇用の導入を検討している企業は、導入前に準備すべきこともしっかり理解しておくことをおすすめします。
ジョブ型雇用の導入を検討している企業が準備すべきことは主に4つ挙げられます。
これまでの採用形式から大きく変化するには、入念な事前準備が欠かせません。現時点でどこまで進んでいるかそれぞれ、チェックしていきましょう。
1.現状の業務可視化
まずは、現状の業務可視化を行いましょう。業務可視化とは、現状の業務プロセスを明確化し、誰が何をどれくらいやっているのかを可視化することを指します。
現状の業務を可視化することで業務を効率化するための課題を発見することが可能です。
業務を可視化する方法はさまざまです。業務可視化ができるソリューションには、プロセスマイニングツール、業務可視化ツール、BPMツール、コンサルティングの活用が挙げられます。
各ツールを活用することで業務可視化にかけるコストや時間の削減にもつながります。
2.業務改善と自動化
業務の可視化で課題を発見できたら、業務改善と自動化を進めていきます。ジョブ型雇用の最大のメリットは、専門性の高い人材を採用できる点です。
適材適所なポジションに重要な人材を配置できるように、現状の業務の無駄を改善する方法を検討したり、自動化可能な雑務などがないかを探していきましょう。
業務改善と自動化にもツールを活用することをおすすめします。例えば、プロセスマイニングであれば、現状の可視化・業務課題分析・試作実行後の効果測定・次の試作実行とサイクルができています。
現状の把握や課題発見に留まらずに、施策を継続的に実行していくことこそが業務改善と自動化において重要です。
プロセスマイニングについては、以下の記事をご参考にしてみてください。
3.働きがいのある職場環境
ジョブ型雇用のデメリットの1つである、人材の流出を防ぐために、従業員にとって働きがいのある職場環境を整えることも非常に大切です。
具体的には、給与体系や人事制度を整えることなどが挙げられます。従業員にとって、ジョブ型雇用によるメリットは「自分の得意分野のスキルを磨き、特定の分野に集中できること」です。
そのため、スキルアップが現職でできなかったり、給与待遇や評価に満足できないと感じたときには、転職を検討することが予測されます。人材の流出は企業にとって致命傷にもなりかねません。
従業員が他ではなく自社で成長したいと感じられるような、評価制度を見直すことやスキルアップしやすい職場環境を整えることも非常に重要な準備です。
4.リモートワークに伴う環境整備
ジョブ型雇用の導入を検討している企業は、テレワークやフルリモートワークなどに柔軟に対応できるよう環境面も整備しておきましょう。
具体的な方法として、ペーパーレスの促進やクラウドツールの利用などがあります。
ペーパーレスを促進するメリットとして、書類を「電子データ」に変換することで生産性の向上を期待できます。
クラウドツールとは、ビジネスチャットツールやビデオ会議ツールを準備することなどが挙げられます。出社せずとも従業員同士が円滑にコミュニケーションできる環境を整えることが大切です。
企業側の管理面では、労務管理システムを活用することもおすすめです。契約書や給与明細の作成、社員の勤怠管理などで時間を割かない方法は積極的に利用していきましょう。
ジョブ型雇用を導入するなら業務の可視化・業務改善からはじめよう
本記事では、ジョブ型雇用の導入を検討している企業向けに事前に準備すべき4つのポイントを解説しました。
中でも、現状の業務を可視化することや業務の自動化は着手しやすい部分です。注意すべきなのは、経営層と現場職員とのずれが生じないようにすることです。現場単位での労働状況のヒアリングや課題をまずは発見することが非常に重要です。
導入前に業務を把握するためにプロセスマイニングや業務可視化ツールなどを活用するのも方法の1つ。
さらに業務改善のプロによるサポートがあれば、より円滑にジョブ型雇用の準備を進めていくこともできるでしょう。ぜひ検討してみてください。
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