プロセスマイニングで実現する3つの機能

業務コンサルタントの与田です。プロセスマイニングって具体的に何ができるのかまだ解りずらい部分も多いです。そこで今回はプロセスマイニングの機能を3つに分けて解説していきます。

 

そもそもプロセスマイニングって何ですか?という方は以下の記事にて概要を説明していますのでこの記事を読む前に確認頂ければと思います。

 

現状の業務可視化する機能

 

端末のログから業務工数を可視化

プロセスマイニングのツールをPCにインストールしたり、利用しているシステムと連携することでどのような業務に時間を割いているかダッシュボードから確認できるようになります。

例えばシステム・アプリごとの利用率の可視化からモニタリングしたい業務を定義しての計測。クライアントワークを行う企業では顧客ごとの工数を可視化することができるツールもあります。

また、業務工数を可視化することで今まで把握しきれていなかった現場の業務を発見することもでき、抜け漏れなく業務改革を進めていくことが可能になります。

得られる効果

プロセスマイニングを使わずに業務可視化を進めるためには、現場担当者へのヒアリングやエクセルシートによる工数チェックなどがポピュラーな方法です。しかし、業務改革の対象が大きい場合は1人1人にヒアリングしていくと膨大な量になってしまいます。

エクセルシートによって工数記入してもらう場合は業務改革担当者の負担は減りますが、かなり適当な記入をされてしまい実際の工数と乖離が起きてしまいます。

プロセスマイニングによって可視化する場合はこの2つの問題を解消できるため、業務可視化の工数・精確性を大幅に改善することができます。

対象部門の業務棚卸しに活用

活用のシーンとしては、まさに業務改革をスタートさせる際に現状をクイックに把握することができます。新しい施策をスタートさせる際に最初の対象業務の選定が非常に重要になりますが、プロセスマイニングを活用して網羅的に行われている業務の棚卸しを行うことで最適な業務を選定していくことができます。

現状の業務課題分析する機能

業務フローがどのように行われているか可視化

業務改革を進めたい対象業務に対してその業務がどのような手順・スピードで行われているか、さらにはどのような例外パターンがあってどれくらいの頻度で発生するかなどを業務ログから可視化します。

可視化されたデータはフローチャートのような形式で表示され、最も頻繁に発生されている手順を「Happy Path」と呼びます。さらに業務には通常通りの手順では行かない例外が数多く発生しています。プロセスマイニングではこれを「バリアント」と呼び、フローチャート上で網羅的に確認することができます。

得られる効果

プロセスマイニングを使わずに業務分析を進めるためには、現場担当者へのヒアリングが最もポピュラーな方法です。しかし、対象業務が非常に複雑で複数の関係者が関わっている場合など非常に困難になります。さらに業務の例外パターンは担当者本人ですら把握できていないことも多く、要件定義の後に手戻りとなってしまうことがあります。

プロセスマイニングを業務分析に利用することで、業務ヒアリングによる主観的な分析ではなくデータをもとに精確な分析を行うことが可能になります。

業務改革の効果測定をする機能

蓄積したログから過去と現在を比較

プロセスマイニングは一度セットアップしたら継続的に業務ログを蓄積します。これによって、BPRやシステム化・RPA化などの施策実行前の業務状況と実行後の状況の比較ができます。

比較する指標は対象業務の工数をはじめ、処理した注文金額、業務処理のリードタイムなどモニタリングしたいものを設定してニーズにあわせた効果測定を実現します。

得られる効果

プロセスマイニングを使わずに業務改革の効果測定をするには、実施前と実施後にそれぞれ業務状況の調査を行う必要があります。しかしながら、人力で効果測定を行うにはかなりの手間がかかるため定性効果のみでシステム化やRPA化の評価を行っているケースが多く効果が出ていないにも関わらず施策を続けてしまうリスクがあります。

プロセスマイニングを利用することで、都度現状の調査を行わなくても常にログが集積され続けるため施策実行前と後の比較はもちろん期間ごとの推移など詳細に比較しながら効果測定することができます。

継続的な業務改革のPDCAサイクルを回す

業務改革は一過性のプロジェクトで終わらせるのではなく、継続的に効果を見ながら複数の施策を打っていく必要があります。プロセスマイニングはそれぞれの施策にどのような効果があったのかを容易に把握できるため、各施策の継続判断や予算拡大の判断を的確に行い業務改革のPDCAを回しながら全社的なDXを推進していくことが今後のスタンダードになると考えています。

プロセスマイニングの機能まとめ

ご紹介した3つの機能もとに自社で適用できそうか検討して頂き、今後の業務改革推進のヒントになれば幸いです。

プロセスマイニングラボ(略してプロラボ)では、プロセスマイニングの基本的な知識から活用方法、事例などをわかりやすく発信して参りますので他の記事もぜひ参考にしてみてください!

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