業務改革・業務改善(BPR)に失敗する理由を失敗事例から紐解く

実際にあった失敗事例3選

次に、実際に業務改革をおこなって失敗した事例を3つご紹介します。

  1. 定量目標の欠けた提案
  2. 人力による業務可視化
  3. ツール導入後に現場へ丸投げ

1つずつ詳細を見ていきましょう。

失敗事例1.定量目標の欠けた提案

まずは業務改革を行う前段階である、導入フェーズにおける失敗事例を見ていきます。

業務フロー改革のための情報システムを提案した際に、現在の業務フローとシステム導入後の業務フローを図式化して提示しました。

「一部の業務フローを自動化できるので、問題発生時における初動対応の迅速化に貢献できる」と顧客へ伝えたところ、「具体的に初動がどのくらい早くなって、我々にどんなメリットがあるのかが見えない」と指摘され、提案内容は実現に至りませんでした。

この事例の問題点は「業務改革の定量的目標を設定していない」ことです。

システム導入前後で初動対応がどれほど早くなるのか、また、どの程度の工数削減につながるのかを、定量的に目標設定していなかったために、提案が却下されてしまいました。

業務改革の施策を社内へ導入する際には、

  • 何の業務フローがどの程度削減されるのか
  • 改革の施策を実行することでどれほどの費用対効果を生むのか

といった点を定量的に洗い出しておくと、稟議の説明がスムーズになり、現場へ展開した際にも、現場担当者からの理解をすぐに得ることができます。

定量的目標があると、PDCAサイクルを回す際の分析を数的根拠を元に行うことができるため、定性的目標のみの場合と比べて1サイクルごとの成果物の品質向上も期待できます。

失敗事例2.人力による業務可視化

次に、業務可視化に失敗した事例をご紹介します。本事例は厳密に言えば業務改革として行なったものではありませんが、業務可視化を行わないとどういった結果を招くのかが良くわかる事例となります。

開発プロジェクトのテスト工程において、テスト期間10日間のうち、ラスト2日のタイミングでケース消化率50%という状況に陥った案件がありました。

納期遅延を避けるため、開発メンバーそれぞれの抱えているタスクをホワイトボードに書き出し、完了に必要な所要時間を算出することで業務可視化を行い、チームの立て直しを図りました。

なんとか期間内にテストを完了させることはできましたが、業務可視化を全て人力で行ったため予定外の追加工数が膨大となり、赤字プロジェクトとなってしまいました。

この事例の問題点は「業務可視化を全て人力で行った点」および「問題発生まで業務可視化を実施していなかった点」の2点にあります。

緊迫した中で他にチーム立て直しの手段がない状況であったと思いますが、業務可視化を行う術がホワイトボードとExcelのみであり、人海戦術で乗り切るしかない開発体制は問題だと言わざるを得ません。また、問題発生まで業務可視化を行わずにテスト工程を進めていたことにも問題があります。

業務可視化を業務フローの一つとして取り入れることで、ボトルネックが見えていない状況を回避し、問題の早期発見や問題発生時の省力化につながります。RPAによる業務可視化の自動化を導入することも、こういった失敗を防ぐのに有効な対策となります。