【具体例あり】働き方改革を実現する5つのステップ|取り組み事例も解説

現代社会において、ストレスや過労による健康被害が増えている中、働き方改革は大きな注目を浴びています。しかし、具体的に何をすればいいのかわからず、改革に踏み出せない企業が多いのも現状です。

この記事では、働き方改革の重要性や具体的な改善策をわかりやすく解説しています。

ぜひ、働き方改革を導入し、働く人の生産性やモチベーションの向上を実現しましょう。

働き方改革とは?

近年、労働環境の変化や働く人たちのライフスタイルの多様化に伴い、より柔軟な働き方が求められています。このような社会の変化に対応するため、政府や企業、労働者団体などが働き方改革に取り組んでいます。

そのため、背景や関連法についても知っておくことが大切です。ここでは、働き方改革の基本的な概念について詳しく解説します。

働き方改革とは「柔軟な働き方を労働者自身に選択してもらうこと」

働き方改革とは、従来のような定型的な働き方にとらわれず、労働者自身が柔軟に働き方を選択することを目指す取り組みです。

具体的な改革内容を一部紹介します。

  • フレックスタイム制度やテレワークなど柔軟な働き方を導入し、労働時間の短縮やストレスの軽減を図る
  • 休暇制度の充実や残業の是正など、働く人々のライフワークバランスの改善を目指す
  • ノー残業デーの設定やメンタルヘルスケアの支援など、労働環境の改善を推進する

これにより、働く人々が自身のライフスタイルに合わせて、仕事とプライベートのバランスを取りやすくなります。企業にとっても生産性向上や人材確保のメリットが期待されるでしょう。

参考:厚生労働省「働き方改革のポイントをチェック!

働き方改革が推進される背景

働き方改革が推進される背景には、主に以下の3つの問題があります。

  • 労働者のストレスや過労死の問題
  • 女性や若年層の就業環境改善
  • グローバル競争力の向上

技術の進化により場所や時間に縛られない働き方が可能になった現代では、多様な働き方へと変化しているのです。

政府も2017年に「働き方改革推進大綱」を策定し、企業に対する働き方改革の推進を促され、労働環境の改善が求められています。

働き方改革は高齢化や少子化が進んでいる現代社会において、働き方改革は生産性向上や人材確保にもつながります。さらに、新型コロナウイルスの影響によってテレワークやフレックスタイムなど柔軟な働き方が浸透しました。

これらの背景により、働き方改革が推進され、重要課題として取り上げられるようになのです。

働き方改革関連法とはどんな取り組み?

働き方改革関連法は「長時間労働の解消」「非正規と正社員の格差是正」「高齢者の労働促進」などを柱として、働き方改革を進めるための法律です。これらの取り組みによって、生産性の向上や労働環境の改善が期待されるでしょう。

日本では深刻な労働力不足が問題となっています。厚生労働省の発表によると、2023年1月時点で有効求人倍率は1.35倍で、空き職が求職者数を上回る状況が続いています。

この労働力不足を解消するためには、働き手を増やすことや出生率の上昇などが必要です。同時に労働生産性の向上も求められているため、働き方改革が注目されているといえます。

参考:一般職業紹介状況(令和5年1月分)について

働き方改革関連法の具体的な取り組みには、次のようなものがあります。

長時間労働の解消(労働基準法改正:2018年4月1日施行)

労働時間の上限を月60時間と定め、年間の時間外労働時間を上限100時間に短縮するなど、労働時間の抑制を図っています。

非正規と正社員の格差是正(改正労働者派遣法:2019年6月28日施行)

派遣先での同一労働同一賃金の実現など、派遣労働者の待遇改善を図っています。

高齢者の労働促進(改正高年齢雇用安定法:2013年4月1日施行)

高齢者の雇用環境の改善や再就職支援などを行なっています。

労働力不足を解消するためには、働き手を増やすことや出生率の上昇などが必要であり、同時に労働生産性の向上も求められています。

企業が働き方改革に取り組むメリット・デメリット

現在、働き方改革が注目されており、企業が積極的に取り組んでいます。一方で、メリットだけでなくデメリットも存在するのです。企業が働き方改革に取り組む際に得られるメリットとデメリットについて解説します。

働き方改革のメリット

働き方改革にはさまざまなメリットがあり、以下の4つを紹介します。

  • 労働生産性の向上:労働時間を短縮し、ストレスを減らすことで、従業員の生産性が向上
  • 雇用の活性化:ワーク・ライフ・バランスが実現し、女性や高齢者、障がい者など多様な人材が採用できる
  • 企業イメージの向上:働き方改革が進んでいる企業は、社会的に貢献しているとのイメージが向上
  • 社員のモチベーション向上:働きやすい環境であることが社員のモチベーションにつながる

これらのメリットは、企業にとっても従業員にとってもプラスの効果があります。労働力不足の中、働き方改革は企業にとって必要な取り組みであるでしょう。

働き方改革のデメリット

働き方改革は、企業にとって多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。働き方改革のデメリットは以下のとおりです。

  • 生産性の低下:労働時間の短縮や柔軟な働き方など、従業員の生産性向上を目的としている一方で、逆に生産性が低下する可能性がある
  • コミュニケーションの問題:リモートワークやフレックスタイム制度の導入により、従業員同士や上司とのコミュニケーションが不足し、チームワークや意思疎通が困難になる可能性がある
  • 財務面の負担:労働時間の短縮やフレックスタイム制度の導入など、働き方改革を実施するためには財務面での負担がある
  • 従業員のモチベーション低下:労働時間の短縮や柔軟な働き方により、従業員が自己管理能力を求められるため、モチベーション低下につながる可能性がある

これらのデメリットは、適切な対策を講じることで回避できます。

働き方改革を実現する5つのステップ

働き方改革を実現するためには、計画的な取り組みが必要です。以下の5つのステップを踏むことで、効果的な働き方改革が実現できます。

  • 目的設定
  • 現状の可視化・分析
  • 施策の立案・計画
  • 改革の実行
  • 改革の効果測定

それぞれ詳しく解説していきましょう。

1.目的設定

まずは企業がなぜ働き方改革を行うのかを明確にします。

目的が明確になることで、改革に対する従業員の理解度が高まるのです。具体的には、以下のようなことが挙げられます。

  • 働き方改革の目的を定める
  • 企業が達成したい目標を設定する
  • 目的と目標に向けて、従業員とコミュニケーションを取る
  • 目的と目標を共有し、改革に対する意識を高める

目的設定は働き方改革を成功させるために欠かせないステップであり、企業の方向性を定める上でも非常に重要です。

2.現状の可視化・分析

現在の働き方に関する情報やデータを収集し、問題点や改善のポイントを明らかにしましょう。現状の課題を把握するためには従業員の労働時間や生産性、ストレスやモチベーションなどを測定し、評価することが必要です。また、職場の文化や環境、従業員の満足度などの情報も収集することで、改善の方向性を明確にできます。

分析した情報を基に現状の課題を洗い出し、優先順位をつけて問題点を整理します。その後、問題を解決するための具体的なアクションプランを立てるのです。現状を正確に把握することで、有効な改革策を導き出せるでしょう。

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3.施策の立案・計画

まず、目的や課題を整理し、それに対して何をどう改善するのかを明確に定めます。次に、改善するために必要な施策や手段を検討し、具体的に計画を立てるのです。その際には、期限や責任者などを明確に定め、実行可能な計画にしましょう。

施策の立案・計画では社員や関係者との意見交換や調査・分析などを行います。多角的な視点から問題を把握し、現場の実態に即した施策を策定することが重要です。さらに、計画の策定後も継続的な見直しや改善を行い、実効性の高い施策が求められます。

4.施策の実行

施策の実行は計画した内容を実際に実践することで、改革の成果を生み出すために必要なプロセスの一つです。そのため、スムーズな実行が行われるよう、計画や立案の段階での準備が欠かせません。

実行するにあたって組織内での情報共有や調整、具体的な作業手順の策定、各部署・チームでの意見交換や協力などが必要です。また、従業員のモチベーションを維持するため、進捗状況の可視化や評価の仕組みを整える必要があります。

5.改革の効果測定

改革前と改革後のデータを比較し、改革が目的に対してどの程度効果をもたらしたかを定量的に評価します。たとえば、財政の健全化を目指す改革を行った場合、予算赤字が減少したかを評価するなどです。

この評価に基づいて、改革の継続性や改善点を洗い出し、今後の施策に活かします。また、効果測定結果を公表することで、企業イメージやブランディングの向上にも繋がります。

【成功事例】働き方改革の取り組み具体例

働き方改革に取り組んだ企業の具体例は、以下のとおりです。

  • 東日本電信電話株式会社(東日本NTT):時間外労働を13%減少
  • 日本生命保険相互会社(ニッセイ):
  • NECネッツエスアイ株式会社:出張費の節減と労働時間の削減に成功
  • 株式会社常陽銀行:多様な働き方を推進し、従業員のワークライフバランスの改善に成功

それぞれの具体例を詳しく紹介します。

1.東日本電信電話株式会社(東日本NTT)|時間外労働を13%減少

東日本電信電話株式会社(東日本NTT)は、働き方改革の一環として、時間外労働の削減に取り組んでいます。その中で、時間外労働削減目標を設定し、実施計画を策定しました。その結果、時間外労働を13%減少させることに成功しました。

実施内容

東日本NTTは時間外労働削減のために、以下の取り組みをしています。

  • 勤務時間の短縮化や労働時間の適正化
  • 休日出勤や深夜勤務の抑制
  • テレワーク推進やワークライフバランスの改善

効果

東日本NTTでは働き方改革の導入により、以下の効果が得られています。

  • 導入前と比べて時間外労働が13%減少
  • 総時間外労働における朝型の割合が、5%から14%に増加
  • 月間時間外労働を45時間以上実施した社員(のべ人数)が34%減少
  • また、社員からは、ライフ・ワーク・バランスに役立つとの好意的な意見や、家庭と仕事を両立しやすくなったとの声もありました。

働き方そのものに対する意識の改革も浸透し「終業時間を意識して働くようになり、より計画性を持って仕事に取り組むことになった」という声も挙がるなど、定性的・定量的ともに効果が得られました。

参考:働き方・休み方改善ポータルサイト

2.日本生命保険相互会社(ニッセイ)|人材価値向上プロジェクトを主導

日本生命保険相互会社(ニッセイ)は、社員のワーク・ライフ・バランスの改善を目的とした取り組みを行っています。具体的には、フレックスタイム制度の導入やテレワークの推進など、柔軟な働き方を促進する施策を実施しています。

実施内容

ニッセイでは、以下の取り組みを行いました。

  • 健康経営の推進
  • ワークライフバランスの実現
  • 多様な働き方の導入
  • 社員教育・研修の充実
  • 環境負荷の削減

効果

ニッセイでは働き方改革の導入により、以下の効果が得られています。

  • 従業員の健康維持に寄与し、生産性の向上
  • ワークライフバランスの改善により、ストレスや体調不良の減少
  • 多様な働き方の導入により、地方在住者や子育て中の社員など、働きづらかった人たちにも働きやすい環境の整備
  • 社員教育・研修の充実により、社員のスキルアップに貢献
  • 環境負荷の削減により、社会に対する貢献

参考:働き方改革事例集

参考:従業員への取組 | 日本生命保険相互会社

3.NECネッツエスアイ株式会社|テレワークやIT技術を活用した業務改革

NECネッツエスアイ株式会社は、情報通信技術分野における製品やサービスの開発・販売を行っている企業です。テレワークやIT技術を活用して業務改革を進め、多様な働き方を実現していることが特徴です。

実施内容

テレワークやIT技術を活用した業務改革を進めています。具体的な取り組みは以下のとおりです。

  • クラウドサービスを活用したテレワークの推進
  • コラボレーションツールの導入による業務効率化
  • セキュリティ対策の徹底による情報漏えいの防止
  • ビッグデータやAI技術の活用による新たなビジネスモデルの構築

効果

NECネッツエスアイ株式会社におけるテレワークやIT技術の活用による業務改革には、以下のような効果があります。

  • 生産性の向上やコスト削減など、業務効率の改善
  • 多様な働き方の実現による、従業員のワーク・ライフ・バランスの改善
  • 情報漏えいの防止やセキュリティ対策の徹底による企業イメージの向上
  • ビッグデータやAI技術の活用により、新たなビジネスモデルの構築につながる

テレワークやIT技術を活用した業務改革に積極的に取り組み、その効果を実感している企業です。多様な働き方の実現や新たなビジネスモデルの構築など、今後も更なる成果が期待されるでしょう。

参考:働き方改革に向けたNECネッツエスアイの取り組み

4.株式会社常陽銀行|紙業務の削減

株式会社常陽銀行は紙業務の削減やデジタル化を進めることで、社会貢献や業務効率化に取り組んでいます。

実施内容

具体的には、以下の取り組みを実施しています。

  • 紙の利用を最小限に抑えたオンライン申込みシステムの導入
  • 電子化による書類の共有や印刷物の削減
  • テレビ会議システムの導入による業務効率化

効果

株式会社常陽銀行は働き方改革の導入により、以下の効果が得られています。

  • 紙の使用量を削減し、環境保全に貢献
  • テレビ会議システムの導入により、出張費用や移動時間の削減につながり、業務効率化に貢献
  • オンライン申込みシステムの導入により、顧客満足度の向上とともに業務のスピードアップを実現
  • 人あたり平均法定外時間外数は、10時間55分で前年度より2時間8分減少
  • 19時までの退勤運動の実施率は約95%

常陽銀行は紙業務の削減やIT技術を活用することで、社会的責任を果たしながら業務の効率化を進めています。

参考:「働き方改革」の取り組みについて

まずは現状分析から!働き方改革の一歩を踏み出してみては

働き方改革は、労働者の生産性やワークライフバランスを改善することを目的とした取り組みです。

これまでの長時間労働や過剰な残業を改善し、柔軟な働き方や育児・介護休業制度の充実など、多様な働き方に対応できる環境を整備します。その結果、従業員の健康維持やモチベーション向上につながり、企業にも生産性向上や人材確保などの効果が得られるでしょう。

働き方改革の一歩として、まずは実現するために必要な現状を正しく把握してみてはいかがでしょうか。

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