興味を持つ人が増え、課題とする企業も多い業務改善。働き方の変化により、業務改善を始めたいと思っている企業も増えてきています。
一方で、
「とりあえず始めてみたけど、全然効果が出なかった」
「うまく進まなくて途中で断念してしまった」
という経験をした方や、業務改善に対する漠然とした不安を抱える方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は
- 業務改善で失敗をしたくない
- 業務改善への不安を解消したい
- 非効率な仕事のやり方を改善したいがなかなかうまくいかない
という方に向けて、株式会社リビカル代表取締役・業務コンサルタントの元山文菜さんに「業務改善でよくある失敗」や「成功させるための対策」について伺いました。
プロフィール
元山 文菜(もとやま あやな)
株式会社リビカル代表取締役/業務コンサルタント
新卒で株式会社サクラクレパスに入社。富士通株式会社に転職後2017年に独立し、現在の株式会社リビカルを設立。「多様性×業務改善で、はたらくを楽しむ人を増やしたい」をテーマに、業務や組織構造の再設計を手がけ、個人や企業にとっての「価値ある時間の創出」「経営資源の拡大」を支援する。
これまでBPR、BPOやRPA導入支援と、個々人に対する時間管理術の改善を実施。その他業務プロセス改善、タイムマネジメント、ダイバーシティマネジメントをテーマにした講演活動も行なっている。
業務改善で多くの人がつまずく失敗は「目的を見失ってしまう」こと
ーー業務改善を始めるのに不安を抱える方も多いと思うのですが、起こりがちな障壁を教えてください。
私が企業さまのコンサルティングを行なう中で、よく伺う業務改善での失敗が以下の5つです。
- 業務改善が継続されない
- メリットがわかりにくい
- 目的を見失ってしまう
- プロジェクトが進まない
- 目先の結果を求めてしまう
業務改善が継続されない
業務改善は結果が見えづらく、継続されにくい傾向があります。課題は感じていてとりあえず取り組むのですが、業務改善は行なっても目に見えて業績が上がる、売上が増えるわけではないので、効果が実感できる前に辞めてしまうんですよね。
メリットが分かりにくい
そもそも業務改善のメリットが分かりにくいことも、失敗の要因です。業務改善の導入者と使用する人が違うと、なぜ導入するのかが伝わらないことも多く、社内でもギャップが発生してしまいます。
目的を見失ってしまう
企業さんが特につまずきやすいのが、プロジェクトを進める中で「業務改善の目的」を見失ってしまうことです。「なんで業務改善をしているんだっけ?」と。目的が定まらないと、業務改善をする業務がわからなかったり、モチベーションの低下にもつながってしまいます。特に企業のトップの方が陥りやすいポイントですね。
プロジェクトが進まない
なかなかプロジェクトが進まず、フラストレーションを溜めてしまうこともあります。要因は「実行レベルに落とせる人がいないこと」が大きいですね。
とりあえず業務改善を始めて、改善したいことや導入したいソリューションを何回も会議を重ねている。でも実際に改善が進まないときは一度立ち止まってみても良さそうです。
目先の結果を求めてしまう
先も挙げたように、業務改善はすぐに目に見える結果が出るわけではありません。「こんなに話しても解決しないなら、とりあえずソリューション入れた方がいいんじゃない?」と、急いで結果を求めると失敗しやすい傾向にあるので要注意です。
ーーなるほど!このような失敗が起こらないようにするために、元山さんがしていることはありますか?
導入前の可視化したい業務の整理をします。何から手を付けたらいいのか分からないと、目先の結果を求めてしまったり、継続が難しくなってしまいます。
なにから始めるべきかまったくわからない方は、業務可視化で今どんな業務を行なっているのかを見える状態にすることで、最終的に改善した業務を行う人が楽になります。
他にも、目的のすり合わせや最終的にどのような状態にするのかを話し合うようにしています。場合によっては現場や管理者を集めてワークショップ形式で行なってもいいですね。
一番最初にコンセプトフレーミングをして、業務をリデザインして再設計して定着させるという流れで進めていくと、先に挙げたような失敗は起きにくいです。
つまり、目的設定を見直すことが大切だと思います。
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