20代起業家は、なぜプロセスマイニングに命を懸けるのか|PLAY代表 与田明

プロセスマイニングの導入で、業務の削減や効率化が図れる

ープロセスマイニングを通して、世界はどう変わっていると捉えていますか?

海外でプロセスマイニングが普及しているとはいえ、まだまだ拡大期のため世界の大きな変化などはお伝えしにくいです。

それでも、日本で言うRPAくらいの立ち位置で、ホットなワードとして扱われているように感じます。プロセスマイニングの効果が出始めて、UBERを含むグローバル企業は次のステップに進んでいます。グローバル企業だと、業務の標準化がしやすくなりますね。

業務改革が進んでいるUBERは、国ごとに業務オペレーションが異なっています。国ごとに異なる業務をプロセスマイニングを通してベストプラクティスすることで、今後業務を変更するとなっても即座に浸透させることが可能です。

ーそうなると、プロセスマイニングだけで業務をまかなえると捉えるのではなく、いろいろな施策を行っていく上でのプラットフォームと認識すると近いですね。

はい。プロセスマイニングを例えると、機能性の高い体重計です。体重計で直接的に痩せるわけではありませんが、計測ができることで痩せやすくなりますよね。

無駄な努力が必要なくなるのも、機能性の高い体重計=プロセスマイニングの特徴です。

ープロセスマイニングは、現状を知って、目標を決めるための手段なのですね。

これから世界は、他の施策と組み合わせての業務自動化や、ERP(Enterprise Resources Planning・企業資源計画:企業の経営を効率化を図る手段)を活用して業務の効率化を目指す未来になると予想しています。

ー日本についてはどうお考えでしょうか?

日本のプロセスマイニングは、なかなか普及が進まないのが現状です。個人的には要因は2つあると考えています。

ひとつはプロセスマイニング以前に業務の棚卸しができていないため、「そもそも誰が何の業務をどれくらいやっているのか」を把握できていない問題があると考えます。

つまり、どの業務の見える化をすればいいか明確でないため、プロセスマイニングの前の段階で止まっているのではないかと。

この問題は、離職率に関係していると思います。日本は、離職率が低い国です。離職率が低いと現場が変化しないため、現場が問題を抱えていく状況にあります。

しかし、海外はどんどん人が辞めていくので、いつ担当が変わってもいいように業務の洗い出しはできていて当たり前の環境です。

ー属人化することが多いのが、日本企業の体制ですかね

しかし、日本も終身雇用が崩れている時代です。終身雇用がなくなりつつある世の中に合わせて、体制を変えていくべきなのが日本企業の今後の課題だと考えています。

そこでArkは、誰が何の仕事をどのくらい行なっているかが可視化できるように、タスクマイニングを提供しています。

また、日本企業独自や自社開発のツールが多いのも、日本の特徴と言えるでしょう。海外はサービスとして一般化しているツールを使うことが多いため、プロセスマイニングツールを使ったログが取りやすい上、システム連携ができることが多いです。しかし、独自のツールが多い日本では、作業のログ(内容や時間)が取れないシステムが多くて。

そのためArkは、OSからログを取れるツールを作りました。OSから取ることで、どんなシステムにも対応できます。海外進出はせずに、日本企業がとにかく使いやすいツールやプロセスマイニングを目指しています。

PLAYは可視化の重要性を啓蒙し、オペレーションの改善に努める

ーこれからの時代に合わせて、どんなことに挑戦していきたいですか?

可視化の重要性を啓蒙していきたいです。

今、日本では可視化ができていないゆえに、DXのプロジェクトや目的が不透明になっていると思っていて。とりあえずRPAやAIを導入するなど、ツール導入が先行してしまっている気がします。

何を目指したいのか決まらないまま行なっている業務が多いのが、日本の問題ではないかと考えています。

現状を無視して身の丈に合っていないツールを入れる、業務を遂行してしまうことが多いため、私達が自社に合ったツールを選べるサポートをしていきたいです。オペレーションを改善することで、利益率の向上や他社よりも良いサービスの提供が見込め、本来人間がやるべき業務に注力できると考えています。

このように、日本企業の課題を足下から見直し、改善を図ることで「全ての労働を自動化する」ビジョンを達成していきたい、そう思っています。

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