昨今、日本ではRPAへの注目が高まっています。RPA(Robotic Process Automation)とは、人間の代わりにロボット(プログラム)が業務を引き受け、一連の作業を自動化するソフトウェアです。
RPAは、業務の粒度や優先順位、ROI(投資収益率)などの観点からシステム化されずにいた手作業の業務プロセスを、低コストかつ短期間で自動化できるため、業界・業種を問わず導入が進められています。
RPAの製品は数多く存在しており、その中でも世界中で多くの導入実績があるUiPathについて、ご紹介します。
UiPath導入に向いている会社
- 多種多様な業務を自動化したいと考えている会社
- 市場シェア・満足度が高く人気の製品を利用したいと考えている会社
- RPA以外の先端技術(AI等)と連携して自動したいと考えている会社
UiPathとは?
運営会社「UiPath株式会社」
UiPath株式会社は2005年にルーマニアのブカレストにある小さなアパートでスタートした会社で、2015年からRPA市場へ参入しています。現在の本社はニューヨークで、世界27ヵ国、45拠点にオフィスを展開しています。
日本法人は2017年に設立しており、東京、大阪、福岡、名古屋、豊田の5拠点に存在しています。
UiPathとはビジネス改革に特化したツール
UiPathはRPAのみならず、最先端の自動化プラットフォームを提供しており、多様な製品を提供しています。UiPath製品を組み合わせることで自動化領域を拡大し、単純な業務自動化をするのではなく迅速にビジネスの改革が可能です。
今回はUiPath製品から、RPAのプログラムを開発するツール「UiPath Studio」について、詳細にご紹介します。
UiPath Studioの機能
UiPath Studioには以下の機能があります。
- ドラックアンドドロップ開発機能
- レコーディング機能
- 変数機能
ひとつずつ解説していきます。
ドラックアンドドロップ開発機能
UiPath Studioにおける開発は、アクティビティと呼ばれる部品を組み合わせて行います。アクティビティには、ファイルの作成、メールの送信、Excelの取得など豊富な部品が用意されているため、日常的に行っている業務のほとんどの操作が自動化可能です。
アクティビティはドラックアンドドロップで組み合わせることができるため、直感的に操作でき、プログラミング初心者でも多少の知識があれば簡単にRPAを開発することができます。
レコーディング機能
レコーディング機能とは、実際にWeb画面を自分自身で操作した内容を自動で記録し、記録した内容をエクスポートすることで、自動的に開発を行う機能です。
Web画面の操作を自動化する場合、ボタンをクリックする、テキストに値を入力するなど一つひとつ細かな操作を開発する必要があります。
すべてドラックアンドドロップで開発していくと、開発に時間が取られてしまい効率的に自動化することができないため、レコーディング機能が用意されています。
変数機能
変数とはプログラミングをする際に頻繁に出てくるもので、値を入れておく箱を意味しています。データを処理する際に、あらかじめ作成した変数に値を格納したり、取り出したりすることで効率的に開発をすることができます。
変数の型として、String型、Int32型、DataTable型など.Netプログラミング言語で利用できる変数の型が準備されているため、さまざまなデータ形式に応じた処理を開発することが可能です。
変数機能があることで、同じ値を複数の処理で使いまわすことができたり、変数に適切な名前を付けることで処理の流れが把握しやすくなるため、効率的な開発を行うことができます。
UiPath Studioの特徴
UiPath Studioの特徴は大きく3つあります。
- 豊富な機能が用意されている
- 機能を拡張することができる
- 他製品を組み合わせて自動化範囲を広げられる
豊富な機能が用意されている
アクティビティが豊富に用意されています。自動化できる代表的な操作には以下のようなものがあります。
- ファイル操作(作成、コピー、移動、削除)
- Office操作(Excel、Word、PowerPoint)
- メール操作(メール受信、メール送信、メール保存)
- Web操作(クリック、入力、ダウンロード、アップロード)
上記もあくまで一部であり、デフォルトでアクティビティは400個以上用意され、かつ定期的に追加されています。
そのため、UiPathで自動化できない操作は存在しません。
機能を拡張することができる
デフォルトで用意されているアクティビティ以外にも、豊富なアクティビティが存在しています。追加で必要な内容は別途UiPathStudioに追加でインストールすることで利用できます。
また、UiPathにはマーケットプレイスというものが存在しており、自社のRPA開発でも再利用可能な自動化部品がデベロッパーや企業、団体から提供されています。ユーザーが安心して利用できるよう、UiPath社による品質、セキュリティ、機能性の事前チェックが行われているため、安心して機能を拡張することができます。
他製品を組み合わせてビジネス改革ができる
UiPath社はビジネス改革をするために多くの製品を提供しています。他のUiPath製品とUiPath Studioを連携することで、より多くの機能、自動化、ビジネス改革をすることができます。
例えば、開発したRPAを管理するUiPath Orchestrator、開発したRPAを実行するUiPath Robot、既存業務のプロセスを精査するUiPath Process Miningなどがあります。
UiPath Studioの価格
UiPath Studioの詳細な価格は非公開となっていますが、エンタープライズ向けの無料の60日間トライアルが利用可能です。
実際に製品を購入したい場合や、詳細な価格を知りたい場合はUiPath株式会社のパートナー会社へお問い合わせしてください。
まとめ:ビジネスを改革したいならUiPathを選ぶべき
UiPath StudioはRPAを幅広く効率的に開発できる製品です。
単純に既存の業務を効率化したいだけであれば、数多く存在するRPA製品から選択して選ぶことができます。しかし業務を効率化するだけでなく、ビジネス全体を改革しDX推進をしていくのであれば、豊富な機能、多様な製品群のUiPathを選ぶのがおすすめです。
また、RPA導入にあたっては、既存業務のプロセスを精査する必要があるため、プロセスマイニングも重要となります。
UiPathのプロセスマイニングツールに関しては、以下の記事をご参照ください。