【活用事例】プロセスマイニングツール「Celonis」を活用した、不正兆候モニタリングの実践(豊田通商)

【2021年10月12日開催|『Celonisワールドツアー2021』イベントレポート】

イベントログに基づいて業務プロセスの可視化を行う「プロセスマイニング」。業務可視化のコスト削減や業務プロセス改善のサイクルを短くできるため、国内で注目を集めています。

プロセスマイニングを行う際に使用するプロセスマイニングツールの中でも、世界で最も普及しているのがドイツの「Celonis」。用途に合わせたカスタマイズがしやすく汎用性が高いのが特徴で、2020年時点で800社以上の大手企業の導入実績があります。

今回は、そんなプロセスマイニングツールCelonisを「不正兆候のモニタリング」に活用した豊田通商株式会社・法務部の森田氏が、導入支援をしたプロティビティLLCの矢部氏と共に事例を紹介します。

【登壇者】

豊田通商株式会社
法務部 コンプライアンス統括室 課長
森田 徳教氏

【この記事でわかること】

  • 不正兆候モニタリングにCelonisを活用した動機、道程、手順
  • 不正兆候モニタリングにCelonisを導入した効果
  • 今後のCelonisの活用方法

豊田通商株式会社の不正兆候モニタリングの取り組み

森田氏:

豊田通商株式会社のコンプライアンス統括室では、不正を防止するためグループ会社の役職員約64,000人を対象にグローバル行動倫理規範の策定やコンプライアンス研修などを行なってきました。

こうしたソフトなアプローチに加え、プロセスマイニングを活用したデジタルなアプローチも行なっています。データを分析してモニタリングすることで、数多くの拠点における不正の兆候を網羅的にキャッチすることができるからです。加えて、リアルタイムでモニタリングできるため不正兆候の早期発見や不正抑止力の強化に繋がります。

このような活動は、会社および役職員を守るために取り組んでいます。

プロセスマイニング活用の動機

森田氏:

不正兆候のモニタリングにプロセスマイニングを活用した動機は、不正会計や不正取引などの不正を網羅的に発見・抑止するためには、不正の手口(リスクシナリオ)を作成してリスクを可視化すると共に、最新のデジタルツール 「Celonis」を活用したデータ分析が必要と考えたためです。

デジタルツールを使うことで、網羅的に不正の兆候を見つけることができるうえに、早期発見が可能になったり、リアルタイムで「見てるぞ」という抑止力強化の効果が生まれると考えています。

プロセスマイニング導入までの道程

森田氏:

2019年2月、豊田通商株式会社はリスク・コンプライアンス関連で支援を受けていたプロティビティLLCからプロセスマイニングとCelonisの紹介を受けました。

すでにプロティビティLLCの支援でデータ分析による不正検知で実績が上がっていたのもあり、2019年10月から2020年3月にプロセスマイニングによる不正兆候発見の価値検証(POV)を実施。ある拠点の過去の不正事案を対象に、不正の兆候がCelonisでどう見えるのか確認すると同時に、Celonisの使い方のトレーニングを行いました。

その結果、グローバルなデータ分析にプロセスマイニングは有効であると確認できたのです。

2020年4月からは、プロティビティLLCが保有するCelonisを使ったデジタルコンサルティングサービス活用し、マレーシア、フィリピン、中国の取引データを対象に不正兆候モニタリングの分析を進めていきました。

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